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2025年問題とシニア市場、販促担当者が知っておくべきポイント(シニアマーケティング)

 日本は急速に高齢化が進行しており、2025年には、いわゆる団塊の世代が全員75歳以上となり、超高齢化社会の到来が予測されています。内閣府が公表している令和5年版高齢社会白書によると、日本の高齢化率は29.0%に達しており、高齢化社会のさらなる進展が予測されています。

本記事では、高まるであろう高齢化社会のマーケットの重要性について、2000年代前半に各企業で展開されていた「アクティブシニア」をターゲットにしたマーケティングを振り返りつつ、これからのシニアマーケティングについて解説していきます。

2025年問題とシニア市場 

目次

  1. 2025年問題とは?
  2. 2000年代前半の「アクティブシニア」マーケティングから学ぶ
  3. 2025年版シニアマーケティングの重要性
  4. デジタル化の進展とシニア層のオンライン利用
  5. おわりに


2025年問題とは?

 2025年問題は、団塊の世代(1947〜1949年生まれ)が全て75歳以上の後期高齢者になることで、日本社会に与える影響を指します。この時期に日本では高齢化率がさらに上昇し、特に医療・介護の需要が急増することが懸念されています。また、社会保障制度の持続可能性が大きな課題となり、現役世代への負担が増加することも予想されています。
 
高齢化の推移と将来推計

高齢化の推移と将来推計-1

 

2000年代前半の「アクティブシニア」マーケティングから学ぶ

2000年代前半に多くの企業が「アクティブシニア」マーケティングに注力していました。当時は、元気で活動的なシニア層(アクティブシニア)に向けた商品やサービスを提供することに注力していました。
 
しかしながら、そのアプローチが、実際のターゲットのニーズや生活スタイルに合致していなかった等の要因から、期待していた通りにはいかず、以下の店が課題とされました
 
課題1:ターゲットニーズの理解
実際にシニア層が求める商品やサービスが的確に把握されず、ニーズを捉えきれなかった。
 
課題2:コミュニケーション不足
シニア層に対する適切なメディアやメッセージが不足し、ターゲットに効果的にリーチできなかった。
 
課題3:デジタル化の遅れ
当時、シニア層のデジタル技術への適応が遅れていたため、インターネットを活用した販促活動が限定的であった。
 

これらのポイントを踏まえ、これからのシニアマーケットに対応するためには、高齢者の特性を正確に理解し、適切なコミュニケーションを図ることが求められます。

 

2025年版シニアマーケティングの重要性

2025年問題を背景に高齢化の進展に伴い、シニア層の購買力がますます重要視されるようになっています。シニア層は、若年層と比較して可処分所得が多く、また消費の仕方や嗜好が多様化しているため、適切なマーケティング戦略を展開することが重要です。

1.シニア市場の拡大と購買力の増加

高齢者人口の増加に伴い、シニア市場は拡大しています。

特に、団塊の世代は戦後の高度経済成長期を経験し、比較的豊かな生活を送ってきた層です。この世代は、貯蓄や年金などの経済的な余裕を持つ者が多く、購買力も高いため、シニアマーケティングのターゲットとして非常に魅力的です。

2.健康志向とライフスタイルの多様化

シニア層は健康志向が高く、健康を維持するための商品やサービスに対するニーズが強いです。これに対応するために、健康食品、サプリメント、フィットネス関連のサービス、そして医療機器などの市場が成長しています。また、シニア世代のライフスタイルは多様化しており、趣味、旅行、教育などの分野でもニーズが拡大しています。これにより、従来のマーケティング手法では捉えきれない新しい市場機会が生まれています。

3.市場の競争激化

シニア市場は、今後ますます多くの企業が注力することが予想されます。シニアマーケティングにおいて他社との差別化を図るためには、単に商品を売るだけでなく、シニア層との信頼関係を築き、彼らのライフスタイルや価値観に寄り添ったマーケティングが不可欠です。

4.シニア向けの製品開発とサービスの重要性

シニアマーケティングにおいては、製品やサービスが高齢者のニーズに適合していることが求められます。例えば、視覚や聴覚が低下しているシニア層向けに、使いやすいデザインやインターフェースを提供することが重要です。また、シニア層が求める安心感や信頼性を確保するためのサービス提供も欠かせません。さらに、エイジフレンドリーな設計やバリアフリー対応なども重要な要素となります。

5.パーソナライズされたコミュニケーションの重要性
シニア層は多様な経験や価値観を持つため、画一的なマーケティング手法ではなく、パーソナライズされたアプローチが求められます。
例えば、年齢、性別、ライフステージ、健康状態などに基づいて個別にカスタマイズされた提案やサービスを行うことで、シニア層の心をつかむことができます。また、信頼性の高いブランドや、長期間の顧客関係を重視するシニア層に対しては、丁寧で誠実なコミュニケーションが重要です。
 
6.社会的な責任と持続可能性への意識

シニア層は、社会的な責任や持続可能性に対する意識が高いことが多く、これを踏まえたマーケティング戦略が効果的です。環境に配慮した製品や、地域社会への貢献を強調することで、シニア層の支持を得ることができます。また、シニア層が持つ知識や経験を活用した共創型のマーケティングも、新しい価値を創出する手段として注目されています。

 

デジタル化の進展とシニア層のオンライン利用

デジタル化の進展に伴い、シニア層のオンライン利用が増加しています。特に、スマートフォンやタブレットを通じたインターネット利用が普及しており、SNSやオンラインショッピングを活用するシニア層も増えています。このため、オンライン広告やデジタルマーケティングを通じてシニア層にアプローチすることが重要になっています。

総務省の通信利用動向調査からもわかるように、インターネット利用状況は、60歳代で90.2%、70歳代でも67%となっております。

R5年通信利用動向調査インターネット利用状況-1オンラインとオフラインの融合
高齢者のデジタルリテラシーは上昇していますが、シニア層は依然としてリアル店舗での購買を好む傾向が強いため、O2O施策が効果的です。

例えば、WEBでのキャンペーンやクーポン配布を通じて店舗への来店を促す施策が考えられます。これにより、オンラインでのリーチをリアルの購買行動につなげることができます。

 

パーソナライズされたWEB広告
高齢者は、個々のニーズや趣味が異なる多様な層です。健康志向の食品や、機能性を重視した衣料品など、年齢や健康状態に応じた提案が求められ、パーソナライズされた広告が求められます。また、シニア層がWEBサイトにアクセスしやすい環境を整えることも必要で、WEBサイトのフォントを大きくする、簡単な操作で利用できるUI/UXを導入するなど、利用者に優しい設計が求められます。

例えば、地理的な位置情報や購買履歴を活用した広告は、より精度の高いターゲティングを可能にします。これにより、無駄を省き、効率的にリーチすることができます。

 

おわり

2025年問題に直面する日本において、2025年以降のシニアマーケティングは企業が持続的な成長を遂げるために欠かせない戦略となります。シニア層のニーズを深く理解し、寄り添った製品・サービスの提供や、効果的なコミュニケーションを実現することで、シニア市場の機会を捉えることができます。シニアマーケティングの成功は、企業にとって社会的責任を果たすとともに、長期的なビジネスの繁栄にもつながるでしょう。
 

弊社の強みであるエリアマーケティングでは、地域ごとの人口動態や購買傾向を精緻に分析し、ターゲットとするシニア層の生活圏や行動パターンを把握することで、効果的なマーケティング施策をサポートすることが可能です。また、クラスター分析を活用することで、シニア層を細分化し、それぞれのグループに最適なメッセージの手段やプロモーションをご提案することも可能です。ぜひ、私たちの知見とソリューションをご活用ください。お気軽にお問い合わせください。

 

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