「SDGs」をテーマにした販促例と企業の取り組みや消費者動向について
地球環境や人々の暮らしを守るために、喫緊の課題として解決が急がれる『地球温暖化問題』。地球温暖化による影響で今までに経験したことがない記録的な豪雨や豪雪、猛暑などの異常気象が世界各所で起こっています。
その影響が農作物の不作や漁獲量減少に繋がり、食糧不足による飢餓や価格高騰の問題が世界中の人々の暮らしに甚大な影響を与えています。
地球温暖化に最も大きな影響を及ぼす二酸化炭素(CO2)やメタンガスなどの温室効果ガスの大幅削減による脱炭素社会実現に向けた取組が先進国を中心に世界中で求められています。
また、政情不安や民族間・宗教間対立による内戦、他国との戦争、先進国との不公正な経済的取引等の影響で発展途上国のなかには、人々の暮らしを豊かにする主要産業が育たず、結果として多くの国民が貧困による飢餓に苦しんでいます。2018年の国連の調査によると、アジアやアフリカ諸国を中心に約8億2,000万人以上、実に世界人口の9人に1人が飢餓状態にあると発表されました。
そういった国々では、飲料に適した水やトイレがないなど不衛生な環境で暮らさざるを得ない人も多く、さらに適切な医療・福祉も受けられないため、多くの人が若くして命を落とす結果に繋がっています。
さらに、世界には教育が受けられない子どもが約6,100万人もいると言われています。その影響で、優秀な人材が育たないため、国際競争力のある産業の育成や技術革新に繋がらず、結果として貧困状態が抜け出せないという負のスパイラルに陥っているという国も多くあります。苦境から脱するためには、先進国による経済援助や人的支援、技術支援などが求められています。
そこで国連は「世界各国が協力しながらこれらの地球規模の課題を解決する」ための行動指針として『SDGs(持続可能な開発目標)』を策定しました。
『SDGs』をテーマにした販促案の概要を幾つか紹介させていただきます。
併せて、SDGsに関する情報や人々の意識、企業の取組の必要性などを各種資料に基づいて、カンタンにまとめてさせていただきました。
流通の販促担当者様はもとより、メーカーの小売担当者様や販促担当者様にご一読いただけたら幸いです。
1:『SDGs』をテーマにした販促案概要
環境問題や経済・社会問題など地球規模で解決が求められている課題を網羅している『SDGs』。企業にとっても持続的な成長を遂げるためには、今後、欠くことのできない経営施策のひとつと言われています。企業の社会的責任(CSR)を果たすという視点だけでなく、売上拡大・利益率確保につながる販促施策を幾つか紹介させていただきます。
【食品関連】
1:『メニュー・レシピ提案:1』《食品ロス》
一人当たり年間で約45kgもの食品が廃棄されている現状に鑑み、各家庭で冷蔵庫に残りがちな食材の活用や食べ残しのリメイクなど『使い切ること』をテーマにしたメニュー・レシピ提案。
→冷蔵庫に残った野菜を上手に活用提案。
→夕食の食べ残しを使ったお弁当提案。
2:『メニュー・レシピ提案:2』《環境負荷》
温室効果ガスの原因の一つと言われる牛のゲップに対応して、環境負荷が少ない大豆ミートなどの植物由来の『代替肉』や人口増加による食糧不足が懸念されるなか、高たんぱくでアミノ酸も豊富に含む『昆虫食』を使ったメニュー・レシピ提案。
→代替肉を使ったハンバーグや唐揚げ、肉野菜炒めなど
→蜂の子を使った炊き込みご飯、イナゴの佃煮 など
3:『Mottainai(もったいない)提案』
店舗での食品ロス軽減に向けて、賞味期限が近い食品や規格外野菜を集めた専用コーナーを設置。価格訴求による売り切りを図るだけでなく、『もったいない』をテーマに食品ロス軽減への啓発も視野に入れて展開する。
4:『フェアトレードを意識した企画』
発展途上国の貧困・飢餓対策につなげるために、コーヒー豆やカカオ(チョコレート)など主に発展途上国由来の製品について、公正な取引で得たことを証明するフェアトレード認証製品を集めたフェアを開催する。
【ファッション関連】
1:『特集企画提案:1』《サスティナブルファッション》
CO2排出量や水消費量が非常に多く、環境負荷が大きい産業として指摘されているファッション産業。そこで生産から着用、廃棄まで各過程での環境負荷を考慮した『サスティナブルファッション』を特集した売り場を編集。ファッション性の高さもアピールするために、トータルにコーディネートした提案も併せて実施する。
2:『特集企画提案:2』《長持ち》
低価格化により、衣料品のライフサイクルが短くなっている影響で生産量・消費量とも大幅に増え、大量廃棄が懸念されるなか、『愛着』をテーマに長く着用してもらうことを前提とした丈夫で、かつ飽きがこないデザインのファッションを特集する。
3:『特集企画提案:3』《リユース・リサイクル》
若い世代を中心に古着を着用することに抵抗がない人が増えるなか、リユース衣料やペットボトル・着なくなった服などで作ったリサイクル衣料を特集。価格訴求による展開だけでなく、品揃えを拡充してリユース・リサイクル衣料未経験者のトライアルを促進する。
4:『特集企画提案:4』《ジェンダーレス》
LGBTQや男女平等が叫ばれるなか、性別に関係なく着られる『ジェンダーレスファッション』を特集。ボディーラインがわかりにくいゆったりしたシルエットや中間色・無彩色など性差に捉われないデザインの服を中心に展開する。
→パーカー、トレーナー、ニットなど
5:『衣料品回収提案』
70%近い衣料品がリユース・リサイクルされることなく、ごみとして捨てられている現状を鑑み、『衣料品回収BOX』を設置。協力いただいた方には『環境ポイント』として店内で使えるポイントを付与。また、貢献が見える化できるように寄付先やリユース率、リサイクル率がわかるように、実績を掲載したポスターを店内に定期的に掲示する。
【日用雑貨関連他】
1:『マイ〇〇提案』
外出時の環境負荷軽減のために、『マイ〇〇』を持ち歩くことを提案する企画。
多くの人に購入してもらうために、機能性やデザイン、素材など品揃えを拡充して展開する。
→プラスティックごみ削減につながる『マイストロー』『マイバッグ』提案。
→割りばし削減につながる『マイ箸』提案。
→ペットボトル削減につながる『マイボトル』提案。
2:『やさしいをテーマにした企画』
水質汚染などの環境破壊や人体への影響も多少危惧される洗剤やヘアケア・ボディケア商品については、『地球にも人にもやさしい』をテーマに植物などの自然由来成分を使った商品を集めた特設コーナーを設置する。
3:『ごみを出さないをテーマにした企画』
ラップやクッキングシート、使い捨て掃除シートなどごみが多く出るキッチン用品や掃除用品は『ごみゼロ』をテーマに繰り返し使える商材を集めた専用コーナーを設置する。
→キッチン用品=繰り返し使えるクッキングシートやラップ、たわしなど。
→掃除用品=布を使ったクロスワイパーなど。
4:『コンポスト提案』
家庭菜園やガーデニングを趣味としている人向けに家庭から出る生ゴミをたい肥に変える『コンポスト』を提案。生ごみを捨てる手間がなくなることやゴミ袋代と肥料代の節約につながることなどをアピールして自分に合ったコンポスト容器を選んでいただく。
また、『コンポスト容器』の中にはDIYで作れる容器があることを紹介して、作り方を記載したリーフレット配付企画も併せて実施する。
→設置型、回転式、密閉型、バッグ型(LFC)、電動生ごみ処理機など。
【売場横断型】
1:『消費者参加型企画:1』《キャンペーン型》
「家庭におけるSDGsへの取組」をSNSに投稿していただく企画。優れた取り組みに関しては後日、内容をわかりやすく解説したポスターを店内に掲示する。
2:『消費者参加型企画:2』《セミナー型》
『SDGs』への理解促進を図るために、『SDGs』に取り組むNPO(非営利団体)と組んで
セミナーを開催。「家庭でできるSDGsに関する取組」をまとめたリーフレットも配付して
『SDGs』に積極的に取組んでいただく。
3:『社会貢献型企画』
貧困・飢餓対策や衛生的な環境作り、医療・福祉施設の整備など発展途上国が抱えている課題に対して、御社業務と関連性の深い取り組みをしている関連機関・団体に売上の一部を寄付する「社会貢献型」の企画を実施する。
2:「SDGs」って何なの?
最近、テレビなどのメディアでよく聞く『SDGs』というワード。
効果的な販促施策を立案するためには『SDGs』に関する理解を深めることが必要なことは言うまでもありません。
『SDGs』とは一体、どのような施策でしょうか?
『SDGs』とは外務省のホームページによると、Sustainable Development Goals、日本語では『持続可能な開発目標』と訳され、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択されました。
下記17のゴールと169のターゲット(加盟国)から構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
1. 貧困をなくそう
2. 飢餓をゼロに
3. すべての人に健康と福祉を(保健)
4. 質の高い教育をみんなに
5. ジェンダー平等を実現しよう
6. 安全な水とトイレを世界中に(水・衛生)
7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8. 働きがいも経済成長も(成長・雇用)
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう(イノベーション)
10. 人や国の不平等をなくそう
11. 住み続けられるまちづくりを(都市)
12. つくる責任つかう責任(生産・消費)
13. 気候変動に具体的な対策を
14. 海の豊かさを守ろう(海洋資源)
15. 陸の豊かさも守ろう(陸上資源)
16. 平和と公正をすべての人に
17. パートナーシップで目標を達成しよう(実施手段)
日本では『SDGs』を地球温暖化対策や自然保護などの『環境問題』と捉えられがちです。ただ、17のゴール(課題)をすべて見てみると、それ以外にも、貧困・飢餓対策や健康・福祉対策、ジェンダー平等などの『社会問題』、さらに経済成長や雇用、イノベーションなどの『経済問題』まで取り組むべき課題が多岐にわたっていることがわかります。
『SDGs』で設定した課題を解決するために、国連は世界中の国々が協力しあうことを求めています。
『SDGs』のなかで関心が高い目標(ゴール)は何でしょうか?
NTTコムが2021年10月に実施した調査で17の目標の中で関心がある項目を聞いたところ、『3:すべての人に健康と福祉を』が最も高く、49.2%。次いで『14:海の豊かさを守ろう(46.2%)』『6:安全な水とトイレを世界中に(43.7%)』の順となっています。
『3:すべての人に健康と福祉を』が最も高い理由としては、コロナ禍で人々の健康への意識が高まっていること。さらに、高齢化率(65歳以上の高齢者が全人口に占める割合)が3割近く(29.1%)に達している影響で、自身の健康に対する不安や老人ホーム・介護施設などの福祉への関心が高くなっていることがこの結果につながったと思われます。2番目に高い『14:海の豊かさを守ろう』については、サンマやシシャモ、イカナゴなど多くの水産物が記録的な不漁による価格高騰とレジ袋の有料化(2020年7月1日)により、海の環境への関心が高まっていることが影響していると推察されます。海に放棄されたプラスティックが海の環境を汚染して生態系を壊し、プラスティックを体内に取り込んだ魚介類を食することで人体にも悪影響を及ぼすとして問題視されています。
プラスティックごみを減らすことが海の自然を守ることにつながることを知っている人が多いと言えそうですね。
3番目の『6:安全な水とトイレを世界中に』については、ボルビックの「1ℓ for 10ℓ(2007~2016)」やnepiaの「千のトイレプレジェクト(2008~2021)」などの企業による長年にわたる取り組みの影響があるのかもしれません。
年代別に見るとどうでしょうか?
20・30代が「1:貧困をなくそう」の関心が高くなっています。これは、新型コロナの影響で外食関連の店舗の休業・時短営業のあおりでバイトが出来なくなって、自身の生活が困窮していることから身近な問題として捉えているのかもしれません。
また、40~60代は『14:海の豊かさを守ろう』への関心が高くなっています。食品スーパーでの買い物頻度が高く、食卓に魚料理が登場する機会も多いことから、前述した記録的な不漁による水産物の価格高騰が関心の高さへ繋がっているようです。
では、人々は日頃、『SDGs』に対するどのような取り組みを行っているのでしょうか?
NTTコムの調査で「普段、行っている行動があるか」を聞いたところ、「電気をこまみに消す」が最も多く、67.1%。次いで「マイバッグ・マイボトルを持参する(62.9%)」「食べ残しをしない、あまり食材を活用する(59.9%)」の順となっています。
省エネやプラスティックごみ削減、食品ロス軽減など地球環境を守るための取組を実践している人が多い結果となっています。
『マイバッグ、マイボトルを持参する』するという回答が6割を超えていることからも、多くの人が『レジ袋を利用しない』ようになっています。ただ、日本から毎年排出される廃プラスティックのうち、レジ袋が占める割合はわずか2%程度。環境負荷軽減が目的というより、身近なレジ袋を有料化することで海の汚染につながるプラスティックごみ削減に関心を持ってもらうことが主たる目的のようです。
企業側もプラスティックごみ削減に向けて容器包装の3R(Reduce=ごみを減らす、Reuse=繰り返し使う、Recycle=再資源化する)を推進すべく、環境に配慮した容器・包装を導入する例が増えています。
セブン&アイグループでは、紙や間伐材、リサイクル素材を使った容器や一部植物由来の原料を含むバイオマス容器など環境に配慮した様々な容器を導入しています。また、食品・飲料メーカーも袋やペットボトルなどの包装や容器を従来品より薄くしたり、形状を変えたりすることでプラスティック使用量の削減に取り組んでいます。
さらに法整備のうえでも『えらんで・減らして・リサイクル』を標榜した『プラスティックに係る資源循環の促進等に関する法律』が2022年4月から施行されました。この法律はプラスティックの資源循環を加速するために、プラスティック製品の設計から排出・回収・リサイクルまでの流れを作り、循環型社会へ移行していくことを目的としています。
消費者や企業の取組、それらを後押しする法整備によって、プラスティックの生産量が大幅に減少し、さらに廃棄されていたプラスティックの多くを資源として活用できる循環型社会への移行が加速していくといいですね。
『SDGs』に対する理解度はどうでしょうか?
先ほどのNTTコムの調査のなかで「SDGsに関する取り組みだと思う行動」を聞いた設問では、実際の行動と同様、節電やマイバッグ持参、食べ残しをしないなどエコに関する取り組みが50%以上の高い数値を示しています。ただ、「家事を家族みんなで協力し、分担する(5:ジェンダー平等を実現しよう)」や「家具の転倒防止や防災グッズを用意する(11:住み続けられる街づくりを)」は20%を下回っています。やはり『SDGs=環境問題に対する取組』と理解している人が多いようです。テレビや新聞などのメディアが今後『SDGs』に関する話題を取り上げる際には、環境問題以外も積極的に取り上げていく必要がありそうですね。
因みに、ジェンダー平等における日本の現状は、世界経済フォーラム(WEF)が2021年3月に公表した「ジェンダーギャップ指数2021」によると、日本は156カ国中120位という非常に厳しい結果に。特に「政治(147位)」や「経済(117位)」という分野が国際的に見て100位台と非常に低い順位となっています。これは、リーダーシップが求められる立場に女性が著しく少ないことが影響しています。今後、日本における女性の地位向上のためには、関連する法律の整備を進めるとともに、政界に進出しやすい環境作りや企業が管理職を増やすなど女性活躍に関する積極的な取り組みが必要です。
一見、ジェンダーギャップがないと思われる「教育分野」でも92位という驚きの結果に。
『リケジョ』というワードがあることからもわかるように、いまだに『女性=文系・家政系』などの偏った見方があるのかもしれません。教育の分野における人々の意識改革が必要といえるでしょう。
3:なぜ『SDGs』ってワードを頻繁に耳にするようになったの?
『SDGs』は国連サミットにおいて全会一致で採択されたのは2015年9月。それから6年以上経過しています。ただ、多くの人にとって『SDGs』というワードを頻繁に聞くようになったのは、ここ1~2年のことではないでしょうか?
電通が2021年1月に実施した『第4回SDGsに関する生活者調査』によると、『SDGs』の認知度は54.2%。前回調査時(2020年1月)の29.1%に対してわずか1年でほぼ倍増(+25.1%)しています。その後、NTTコムが2021年10月に実施した調査では、74.2%と7割を超えています。
なぜ、こんなにも調査のたびに認知度が上がっていっているのでしょうか?
「テレビ」の影響が非常に大きいと推察されます。
電通による調査(2021年1月)で認知経路を聞いた設問を前回調査(2020年1月)と比較してみると、「情報WEB」や「新聞」が減少傾向を示すなか「テレビ番組」のみが2020年の29.3%に対して翌21年は47.3%と18%も増えています。(情報WEB=20年:42.8%→21年:32.0%、新聞=20年:30.6%→21年:24.2%)
最も影響力が大きいメディアとしての社会的責任(CSR)の実践はもとより、『SDGs』はスポンサー受けがいいと考えて、「視聴率低下によるメディアパワー減少に伴うスポンサー離れを食い止めるため」という見方も出来るかもしれません。
確かに、個人的にも近年、テレビで頻繁に取り上げられている印象があり、その影響もあって今回『SDGs』に関する記事を書くことにしました。
「元欅坂46の長濱ねる」をメインキャスターとしたNHKの『未来へ17action』や民放各局でも
〇TBS=地球を笑顔にするWEEK
〇日本テレビ=Good For the Planet
〇フジテレビ=楽しくアクション!SDGs
〇テレビ朝日=人をつなぐ 未来をつなぐ
〇テレビ東京=SDGsウィーク
などSDGsをテーマにしたキャンペーンを各局が実施しています。
2022年のGW期間中もTBSやテレビ東京がSDGsに関するキャンペーンを実施したことは記憶に新しいところです。
ただ、認知度については70%を超え、年を追うごとに高まっているも、具体的な内容まで知っている人は3割程度(34.1%)に留まっています。 理解促進を図るためには、キャンペーンを展開するだけでなく、『SDGs』に関するレギュラー番組を制作し、詳細な情報提供をする必要がありそうですね。
フジテレビが4月より、『SDGs』を楽しく学べる番組として『サスティな!』(毎週土曜日・9:55~10:25)をスタートさせました。こういった番組が増えていけば、『SDGs』」に関する理解も深まっていきそうです。
4:企業として『SDGs』に取組む必要ってどこにあるの?
『SDGs』の開発目標達成のために、国連も各国政府や地方公共団体などの行政機関だけでなく、企業の役割を非常に重視し、積極的に取り組むよう求めています。
『SDGs』は企業にとってどのようなメリットをもたらし、また、どういった取り組みが求められているのでしょうか?
『SDGs』実現に向けて取り組むことは大きな経済効果と雇用創出を生み出すと期待されています。
環境省の調査でも、『SDGs』が創出する市場機会価値は年間12兆ドル(日本円で1,200兆円)、2030年までに世界で約3億8,000万人もの雇用を創出すると予測されています。
将来的にこれだけ大きな経済効果と雇用創出が期待できる『SDGs市場』は新たなビジネスチャンスを生み出す「金の卵」と言えるでしょう。
例えば、『SDGs』に取り組むことで商品に「地球や人にやさしい」などの付加価値が生じます。よって、他の同様の商品との差別化を図れることで「コモディティ化」を回避でき、結果として、価格競争による利益率の低下を防ぐことに繋がります。
すでにグローバル企業を中心に環境負荷の大小やCSRの実施状況を選定基準とする『グリーン調達』や『CSR調達』に沿って、取引先や製品を選定・調達する流れがあります。
例えば、iPhoneやiMacで有名なアップルは同社に納める製品や部材を100%再生可能エネルギーで生産するよう、取引先(サプライチェーン)に求めており、取引先全社が再生エネへの全面移行を約束しているとのことです。
さらに、アップルは希少資源採掘による環境破壊を防ぐために、製品や部品のリサイクル材の使用も積極的に進めています。「昨年(2021年)はリサイクル材の占める割合が2割に達した」との発表がありました。
また、消費者の意識や行動にも変化の兆しが見られます。
社会や環境に対して十分配慮した製品やサービスがどうかを見極めてから購入する「エシカル(倫理的)消費」の流れも広がりつつあります。
今後、『SDGs』に取り組んでいない企業は、「環境問題や社会が抱える問題を軽視している」と捉えられ、取引先や消費者から敬遠される可能性が高くなります。その結果、ビジネスチャンスを逃し、売上が大幅に減少して市場から淘汰されていくことに繋がる怖れがあると言われています。『SDGs』は『DX(デジタルトランスフォーメーション)』と並んで「ニューノーマル時代の生存戦略」と呼ばれている所以(ゆえん)であり、今後、企業が生き残っていくためには欠くことのできない重要な経営戦略として位置づけられています。
投資を判断する基準としても、『SDGs』の重要性が増しています
企業への投資を考える際、従来の判断基準である経営成績を表す『財務情報』に加えて、『環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)』の3つの要素への貢献度も判断基準とする『ESG投資』という考えが広まってきています。
●環境(Environment):環境への配慮(脱炭素や環境汚染を防ぐ取組など)
●社会(Social):社会貢献(労働環境の改善及び女性活躍の場の提供など)
●企業統治(Governance):不祥事を防ぐ経営など
『ESG投資』は『財務情報』の対比として『非財務情報』とも呼ばれています。
GSIAが発表した『ESG投資残高統計2020』によると、世界のESG投資総額は35兆3千億円。2018年比で見ると、15%増と高い伸びを示しています。この数字は機関投資家の全資産運用(98兆4千億ドル)の実に35.9%を占めています。
今後もこの流れが変わることはないと考えられるため、企業が資金調達をする際にも『SDGsへの取組』は必要不可欠と言えるでしょう。
『SDGsへの取り組み』は企業イメージの向上や社員の会社に対する帰属意識の高まり、優秀な人材への確保にも寄与します。
電通が2021年1月に実施した『第4回SDGsに関する生活者調査』でも、就業者に『SDGsに取り組む企業のイメージ』を聞いたところ、『社会からの信頼』が最も高く、68.0%。次いで『社員の会社への愛着(45.6%)』『優秀な人材の確保(45.0%)』の順となっていることからもわかります。
特に『優秀な人材を確保する』ためには『SDGsへの取り組み』は今後、ますます重要となっていきます。
その理由は『SDGs』の認知度を性・年代別に見るとわかります。電通の調査で認知度の全体平均が54.2%に対して男女とも10代が70%を超えており、最も高くなっています。
このことは、小学校や中学校、高校で『SDGs』を学んでいることが影響しています。
その結果、今の小~高校生が大学生になって、就職先の選択基準のひとつとして『SDGsへの取り組み』を重視することが予想されるからです。
SDGsに取り組むことは企業の社会的責任(CSR)を果たすだけでなく、ビジネスにおける機会損失回避や売上拡大・利益率改善が期待できます。さらに企業イメージの向上や社員の会社への帰属意識を高めるとともに、優秀な人材の確保につながるなど多方面にプラスの影響を及ぼすこととなります。
『SDGsへの取組』は企業の持続的な発展のために、経営施策のなかで優先順位の高い項目のひとつと言えるでしょう。
5:消費者にとって身近な商品はどうなっているの?
食料品や衣料品、日用雑貨など消費者にとって身近に感じられる分野において、『SDGs』の目標達成に向けての現状の課題と課題解決への取り組みはどのようになっているのでしょうか?
販促施策を考えるうえでも、現状の課題に対して企業がどのように取り組んでいるか、さらに消費者にはどのような対応が求められているかを把握することが重要となります。
【食品関連】
まず「本来食べられるのに捨てられてしまう=食品ロス」の問題が挙げられます。
農林水産省の調査によると、日本では年間で「570万トン」もの食品ロスが生じています。
1人当たりで見ると、年間で約45kg、毎日、お茶碗約一杯分のごはん(約124g)を捨てている量に相当するそうです。こんなにも食べられずに捨てられているなんて驚きですよね。
食品ロスは、食品製造業や卸売業、小売業、外食産業など事業活動によって発生する「事業系食品ロス」と各家庭から発生する「家庭系食品ロス」の大きくふたつに分けられます。「事業系食品ロス:54%(309万トン)」に対して「家庭系食品ロス:46%(261万トン)」。「事業系食品ロス」の占める割合が若干高くなっていますが、その差は小さく、家庭系食品ロスも半数近くを占めています。食品ロスの問題は生産者・消費者双方に該当することからSDGsの『12:つくる責任つかう責任』に該当します。
企業(つくる責任)が製造過程や販売過程で食品ロスを出さないような仕組みを構築するだけでなく、消費者側(つかう責任)にも意識改革と行動変容が求められています。
消費者には買い物時には『買い過ぎない』、料理を作る際には『作り過ぎない』、外食する際は『注文し過ぎない』など『○〇過ぎない』を意識して、『食べ残しを出さない=食べきる』ことが求められています。
政府広報オンラインでも消費者に買い物時や調理・食事時、外食時に『食品ロス』を防ぐために下記のような取り組みをお願いしています。
買い物に行く前には、必ず冷蔵庫や食品庫に残っている食材をチェックすることを求めています。重複購入を避けることで無駄な出費を避けられるだけでなく、賞味期限切れによる食品ロスを出さないことにもつながります。
さらに買い物時には、お得なまとめ買いセールなどで大量買いして、結局食べずに廃棄につながることを避けるために「必要な分だけ買う習慣を身につけること」を提案しています。さらにすぐ使う予定の食品は棚の手前からとることを習慣化することなど「期限表示と上手に付き合うこと」も求めています。賞味期限や消費期限と上手に付き合うことで、店舗での期限切れによる食品ロス削減にもつながります。
因みに、農林水産省の求めに応じて、コンビニ各社がパンやお弁当売場などで消費者にPOPで『てまえどり』を呼び掛けていたことは記憶に新しいところです。
また、調理や食事時には、予期せぬ廃棄を防ぐために「食材の特性に合わせて適切に保存すること」や残っている食材から使ったり、料理が余った場合はリメイクやレシピを工夫するなどして「食材を上手に使い切ること」、家族の体調や予定などを考慮して「食べ切れる量を作ること」などを求めています。
さらに、外食をする際には、料理の量を選べたり、持ち帰りが可能など「食品ロス削減に積極的なお店を選ぶこと」を推奨しており、また、食べきれる分だけ注文して「食べ残しを出さないようにすること」などもお願いしています。
消費者一人一人が普段の行動を少し変えることで食品ロス削減につながりそうですね。
環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性のワンガリ・マータイさんが環境の3R(Reduce=ごみ削減、Reuse=再利用、Recycle=再資源化)と地球資源に対する敬意(Respect)を表す言葉として使用したことで世界共通語となった日本語の『もったいない』。今こそ、食品ロス削減につなげるために『もったいない精神』をもってあたることが重要と言えるでしょう。
食品ロスを考える際『規格外野菜』の問題も考える必要があります。
『規格外野菜』とは、市場で決められた大きさや形、品質、色の「規格」から外れてしまった野菜のことを指します。規格外野菜は全生産量の20%前後を占めているとも言われており、一部はカット野菜や加工品として出荷されていますが、多くは商品として出荷されることなく、そのまま廃棄されています。
2018年のデータによると、主要41品目の野菜収穫量が約1,340万tに対して、実際に出荷された量が1,150万t。収穫量と出荷量の差分である190万tもの野菜が食べられるにも関わらず、廃棄されています。廃棄量は収穫量の15%近く(約14.1%)にも達しています。
では、なぜ、こんなにも多くの規格外野菜が廃棄されているのでしょうか?
一つ目は『流通』の問題があげられます。野菜は段ボールに詰められて出荷されるため
形や大きさがばらばらだと効率よく段ボールに詰めることが出来ず、結果として段ボールの量が増え、余分な流通コストがかかってしまいます。
二つ目は『きれいな野菜を買いたいという消費者の意識』が関係しています。規格外野菜を出荷しても見た目が悪いという理由だけで敬遠されて売れ残ってしまい、廃棄される結果に繋がっています。
味は規格品とそん色ない規格外野菜の廃棄量を減らすために、様々な取り組みが行われています。
1:生産者と消費者・飲食店を直接つなぐ。
ECサイトや直売所などを通して生産者から直接購入する方法。
★unica(ウニカ)=消費者と直接つながる https://unica.market/
★REACH STOCK(リーチストック)=飲食店と直接つながる https://reachstock.jp/
また、東武鉄道はJA直売所で余ったしまった農産物を東武東上線で輸送し、池袋駅で販売する『TABETE直売所』を2021年8月から本格運用しています。
2:加工して販売する。
食料品、若しくはそれ以外に加工して販売する方法。
★VEGEET(ベジート)=野菜シートに加工 https://www.vegheet.jp/
★おやさいクレヨン=子どもが口に入れても安心なクレヨンに加工
https://eleminist.com/article/1078
★FOOD TEXTILE(フードテキスタイル)=染料として活用 https://foodtextile.jp/
3:フードバンクへの寄付。
フードバンクとは「まだ食べられるのに、何らかの事情で販売できない廃棄予定の食品を引き取り、無償で福祉施設などを通して生活困窮者などに提供する」団体です。コロナ禍でアルバイトが出来ず、生活に困窮した大学生向けに食品を無償で提供していた様子がニュース番組でも取り上げられていましたね。
『加工食品などの賞味期限切れ』も食品ロス削減を考えるうえで重要な問題と言えます。
賞味期限が切れている、もしくは期限切れに近いという理由だけで捨てているご家庭も多いのではないでしょうか?店舗では賞味期限が近い商品は廃棄、若しくは格安で販売されていたり、賞味期限が切れてしまった商品は廃棄されるのが一般的でしょう。
まずは『消費期限』と『賞味期限』の違いをはっきりと理解する必要があります。
『消費期限』は期限が過ぎたら食べないほうがいいことを示しているのに対して、『賞味期限』はおいしく食べることができる期間を示しています。よって、『賞味期限』が過ぎたからといって、すぐに食べられないようになるわけではありません。『賞味期限』が過ぎているという理由だけで安易に捨てたりせず、匂いや見た目、触った感触など、自分の五感を頼りに食べられるものは食べることが食品ロス削減につながります。
『食品ロス』の問題以外では、地球温暖化の原因のひとつとして、食品が関わっていることが指摘されています。
それは、世界に15億頭飼育されている牛のゲップの問題。世界で排出される温室効果ガスの4%を占めています。
逆に、地球温暖化による海水温の上昇や海流の変化の影響もあり、サンマやサケ、スルメイカの漁獲量が2015年からの5年間で74%も減少しました。
安定供給のために、世界全体で見ると、漁業における養殖の割合が年を追って増加しており5割を超えています。
今後は、牛肉に代わって大豆ミートに代表される代替肉や天然魚に代わって養殖魚が食卓に登場する機会が増えるかもしれませんね。
人口増加に伴う食糧不足も危惧されています。
2021年の世界の人口は78億5,000万人。国際連合の「世界人口予測2019」によると2030年に85億人、2050年には97億円に達し、その後も人口が増加することが予測されています。人口増加に伴い、世界中の多くのエリアで「食糧事情が悪化=食糧難」が起こるのではないかと危惧されています。
そこで高たんぱくでアミノ酸を豊富に含む『昆虫食』が食糧難に対する救世主としてだけではなく、環境負荷の少ない食材としても注目されています。
【衣料品関連】
ファッション産業は製造にかかるエネルギー使用量やライフサイクルの短さなどから環境負荷が非常に大きい産業と指摘されており、国際的な課題となっています。そこで衣服の生産から着用、廃棄に至るまで環境負荷を考慮した『サステナブル(持続可能)ファッション』への取り組みが近年、急速に拡がっています。
環境省がまとめた「サスティナブルファッション」によると、原材料調達から製造段階までに排出される環境負荷を服1着当たりに換算して見てみると、CO2排出量が約25.5kg(500mlのペットボトル255本分)、水消費量が約2,300ℓ(浴槽約11杯分)にもなります。服1着作るのにこんなにも環境に負荷をかけているなんて驚きですよね。
国内の服の供給量で見ると、1990年の約25億枚に対して2019年は約35億枚と10億枚も増えています。逆に、衣服1枚当たりの金額は1990年の6,828円に対して2019年は3,202円と半値以下に。結果として、バブル期の1991年の14.7兆円に対して2019年は10.4兆円と4兆円以上市場規模が縮小しました。
但し、衣服の低価格化による大量生産・大量消費の傾向が続いており、さらに衣服のライフサイクルの短期化も相まって、大量廃棄への流れに繋がるのではないかと危惧されています。
一人当たり平均の年間の衣服消費・利用状況を見ると、購入枚数が約18枚に対して手放す服が約12枚。手放す服より購入する服が6枚も多くなっています。また、年間を通して、着用されない服が約25枚もあります。
ライフサイクルの短期化と低価格化がこのような状況を生み出していると推察されます。
では手放された服はどうなっているのでしょうか?
古着として譲渡や売却されるリユースが20%、店頭などで資源として回収されるリサイクルが14%と手放した服の34%が再活用されており、年々その比率は高まっています。
ただ、今でも残りの66%が可燃ごみ・不燃ごみとして捨てられています。ごみとして捨てられる総量は508,000t。うち、5%(24,000t)が再資源化されるも、残りの95%(484,000t)は焼却・埋め立て処分されています。
廃棄される大量な衣服を処理するために、さらに環境負荷が生じています。
そのような状況に対応して「大量生産・大量消費・大量廃棄」の一方通行(リニア)型から、「適量生産・適量購入・循環利用」により、廃棄される衣服が少なくなる循環(サーキュラー)型への取り組みが始まっています。『循環型モデル』を確立するためには衣類を製造・販売する企業と使用する消費者双方が取り組む必要があります。
企業と消費者の双方に該当することから『SDGs』の「12:つくる責任つかう責任」に該当します。
サスティナブルファッションを構築するためには、企業側の取り組みとして、原料調達から販売後までの流れを5段階に分けて対応する必要があります。
★フェーズ:1=原材料の調達
→環境負荷の低い素材を利用し、かつ環境負荷が低い方法で製造されているか?
※『age3026』は樹木からできたソアロンという繊維で織り上げた服を作っています。
https://age3026.com/
→動物虐待をしていないか?=動物の皮やファーを使用していないかどうか?
↓
★フェーズ:2=服のデザイン
→流行に左右されない長く着られるデザインかどうか?
→3R(Reuse、Reduce、Recycle)を前提としたデザインかどうか?
→廃棄物を出さないことを前提とした『サーキュラーデザイン』かどうか?
→デザイン重視ですぐに壊れることはないかどうか?
↓
★フェーズ:3=服の製造背景
→フェアトレードかどうか?(=適正な賃金と快適な労働環境など)
→環境に配慮しているかどうか?(=化学薬品の使用量、排水処理など)
↓
★フェーズ:4=服の販売時
→大量生産・大量消費を前提とした販売方法(セール等)をとっていないかどうか?
※銀座生まれの『Kay me』はブランド誕生からセールをしないことを貫く。
https://kayme.com/jp/brand/no-sale/
↓
★フェーズ:5=服の販売後
→アフターケアやリペア(修理)サービスがあるかどうか?
※アウトドアブランドの『Patagonia』では古着修理プログラム『WornWear』を提供。
→循環型モデル《服を回収→再生》を構築できているかどうか?
※『BRING』は着なくなった服を回収し、それを使って新たな服を作っています。
https://bring.org/
【日用雑貨=生活用品関連】
生活用品の分野でもエコを意識した様々な商品が生産・販売されています。
特にプラスティックごみなどの削減や水質汚染、人体への影響に配慮した商品が多く見受けられます。
《プラスティック製の使い捨てストロー》
自然環境への影響が大きいとしてEUでは、使い捨てプラスティック製品の流通を2021年までに禁止しました。日本でも料飲店が紙製のストローに変えるなど同様の流れが見てとれます。
→→繰り返し使えるステンレス製やシリコン製、ガラス製のストローなど
《マイ箸》
マイ箸と割りばし、どちらの環境負荷が大きいか意見が対立している『箸問題』。
日本では一人あたり年間で約150膳、全体では200臆膳近く使用されているといわれている『割りばし』。近年は地球環境に配慮し、洗って再利用できる『リユース箸』を採用する外食企業が増えている影響で使用量は減少しています。
実は、国産の割りばしは本来、捨てられるはずの間伐材を使用しているため、環境にやさしいと言われています。但し、国産の占める割合はわずか2%しかなく、大半は価格が安い『中国産の割りばし』を使用しています。原料調達から加工・流通、廃棄まで含めると、『中国産の割りばし』は『国産の割りばし』や『リユース箸』に比べてCO2排出量が約240倍にもなるそうです。よって、『マイ箸』を持ち歩くことは地球にやさしいことになります。
《マイボトル》
飲料代の節約につながり、市販のペットボトルや缶、ビンの飲料を買うと、飲み終わった後
の容器の処分の問題が生じます。缶・ビンはリサイクル率が高く、多くは再利用されていますが、ペットボトルはリサイクル率が低く、ごみとして処分されるため、社会問題化しています。よって『マイボトル』は何度も繰り返し使えるので、『マイボトル』を使用することは『エコ』に貢献することとなります。
《洗剤、ヘアケア・ボディケア商品他》
排水による水質汚染などの環境破壊や人体への影響も懸念される洗剤やヘアケア・ボディケア商品。
→→植物由来成分を使った地球にも人にも優しい洗剤やシャンプー・リンス、石鹸など
《キッチン用品・掃除用品》
使い捨てによりゴミが大量に出るなどの環境負荷や排水による水質汚染などの環境破壊、
人体への影響も懸念されています。その対策として、繰り返し使えたり、排水出さないなどの地球に優しい商品や自然由来成分を使った人にも優しい商品が開発されるようになりました。
→繰り返し使えるためにごみ削減につながる蜜蠟(みつろう)で出来たラップやシリコン製のベーキングマット(クッキングシート)、1,000回使えるコーヒーフィルター など。
→水だけ(洗剤不要)で汚れが落とせるオーガニックコットンを伝統的な『がら紡(ぼう)』で織られた糸を使ったがら紡(ぼう)のふきんやたわし。
→使い捨てシートではなく、繰り返し使えるクロス(布)を使ったクロスワイパー。
→お肌にも地球にも優しい天然由来成分の住居用マルチクリーナー
6:さいごに
豊かな恵みをもたらしてくれる地球の環境を次世代につなげるために、地球温暖化対策としてクリーンエネルギーの活用による脱炭素社会の実現や海の自然を守るためにプラスティックごみ削減に取り組むことは喫緊の課題です。
また、発展途上国において、主要産業を育て、継続的な発展に繋げられるようになれば、貧困や飢餓で苦しむ人がいなくなります。国が豊かになることによって、全てのこどもが等しく教育を受けられようになり、優秀な人材育成へとつながり、更なる経済成長に結びつくことにつながるでしょう。よって衛生的な環境で暮らせて、かつ適切な福祉や医療が受けられることにもなります。そのためには、先進国による積極的な経済援助や人的・技術的支援が求められています。
企業においても今後、持続的に発展していくためには『SDGs』に積極的に取り組み、エシカル消費やESG投資などの流れに対応する必要があります。
『SDGs』に積極的に取り組むことは企業の社会的責任(CSR)を実践することとなり、企業イメージの向上や優秀な人材の確保にもつながっていくことなります。
ただ、企業が持続的に成長していくためには、継続的に売上及び利益を拡大し続ける必要があることは言うまでもありません。
そのためには『SDGs』を意識した商品開発や販売戦略だけでなく、効果的な販促施策を構築する必要があります。
競合企業(店舗)の動向を把握し、差別化を意識することで御社ならではの『SDGs』をテーマにした販促施策を構築していってください。