スーパー、ホームセンターなどの流通小売業は今も積極的に折込広告を活用しています。しかし近年、新聞の購読者数は減少しており、折込広告も届く対象者が減少しています。一方、チラシをWEB上で配信する「電子チラシ」はサービスを届ける側も、受け取る側も利用者を増やしています。
参考:チラシの素材を使ってYahoo! JAPAN のトップやTVCMとして動画で届ける「チラシビジョン」についてはこちら
今回は、その電子チラシ配信サービスの機能や特長についてご紹介していきます。
もくじ
1.電子チラシの市場・現状について
2.電子チラシを使うメリット
3.代表的な配信サービス
・Shufoo!
・チラシプラス
4.自社アプリを使った電子チラシの活用例
・ライフ(スーパーマーケット)
・西友(スーパーマーケット)
・ユニクロ(アパレル -SPA- )
書籍や新聞の電子化、デジタルサイネージの広がりなど情報の電子化が進むなか、電子チラシを配信するサービスが始まりました。
電子チラシの利用拡大の状況が分かるデータとして、電子チラシサービスの草分けであるShufoo!のデータを見ていきます。(Shufoo!は2001年8月にサービスをスタートしています。)
Shufoo!の、ページビューの推移を表すグラフを見ると増加を続けていることがわかります。
※Shufoo!ページビュー数の推移グラフ(Shufoo!媒体資料より抜粋)
新聞の発行部数は年々減少傾向にありますので、電子チラシの重要性が相対的に高まっいると言っていいでしょう。
では、電子チラシのメリットは何か見ていきましょう。
電子チラシとは、チラシをデジタル化し、PCやスマホなどのデジタルデバイス上で閲覧できるようにしたものです。
事業者は電子チラシを使うことで折込広告ではリーチできない新聞非購読層にチラシの情報を届けることができるようになりました。
さらに電子チラシには下記の5つのメリットがあります。
電子チラシは紙に印刷する必要はありません。また、印刷したチラシを保管しておく場所や配送費などの在庫流通・管理コストが掛からない点はメリットと言えます。
電子化することで、チラシにさらに多くの情報を付与できます。B1サイズでも、B4サイズでも同じ料金で届けることができますし、カタログ型のものでも、配信することが可能です。また、チラシ上にリンクをつけることでより詳しい商品情報を届け、関連コンテンツにユーザーを誘引できることもメリットと言えます。
端末の位置情報を活用して、店舗の近くや来店可能性の高い場所にいるユーザーに情報を発信することができます。紙のチラシと同じように、店舗からの距離を元に配信対象を絞ることも、都道府県ごと、全国一斉に、というようなエリアセグメントをしての情報配信も可能です。
電子チラシを活用することで、チラシがどれくらい閲覧されているのか計測することが可能です。事業者は掲載したチラシがいつユーザーに見られたかといったユーザーのアクセスデータを見ることができます。サービスによってはアクセスデータを分析することでユーザーの位置情報も把握することができ、そのデータを販促活動に活用できます。
では、電子チラシの配信サービス、Shufoo!とチラシプラスについてご案内します。
※Shufoo!をPCから見たときのトップページ/アプリから見た場合のゲストページ
デバイス:マルチデバイス対応(PC・スマートフォン・タブレット・アプリ)
運営会社:凸版印刷株式会社 サービス開始年:2001年
ユーザー数:1,100万人/月* 月間PV数:3.7億PV*
料金制度:従量型課金制 ベース掲載費用1店舗:1000円~/月
超過費用(101PV以上):10円/1PV アクセスデータ解析機能あり
*2018年8月末時点
概要:Shufoo!は、凸版印刷が2001年から運営している電子チラシ配信サービスです。国内最大級の掲載店舗数を誇っており、イトーヨーカドーやイオン、ユニクロ等の流通小売業に花王やサントリー、ファンケルなどのメーカー、公文やスタジオアリス、TSUTAYAなどのサービス会社もプロモーションの場として活用しています。
主な利用者は30~40代の子育て中の主婦でユーザー全体の70%以上が新聞非定期購読者です。
基本機能は、チラシ形式のコンテンツを朝・夜の2回、配信する機能です。掲載するチラシは紙チラシのデータをそのまま使うだけでなく、用途に合わせて大きさや形を変えることができます。
その他に電子チラシの活用を手助けする機能として以下の5つの機能を紹介します。
ミニチラ機能は売り場のスタッフが画像と原稿をメール送信するだけでユーザーに売り場の一押し情報を配信できる機能です。スタッフが自分の言葉で伝えることができ、ユーザーと距離の近い情報を発信できます。チラシの情報というよりは、Shufoo!上のタイムラインでfacebookやtwitterのように、リアルタイムな現場の情報発信ができる機能です。
※ミニチラの活用例
電子DM機能ではShufoo!ユーザーが登録している性別・年齢などから条件を絞り、特定のターゲット層に向けた効果的な情報配信を行うことができます。アプリのマイページに表示され、未開封の場合はお知らせ マークがつくためユーザーの見逃しを防ぐことができます。
ココチラ機能はShufoo!を閲覧しているユーザーが持つデバイスの位置情報を読み取り、店舗近くにそのユーザーが設定したエリアに近づいた際に通知を送り、情報を届ける機能です。移動中、外出中で店舗近くにいるユーザーとの接点をつくる、来店を促すことができます。
※ココチラの届き方イメージ
LINE@連携機能はLINEの「LINE@」サービスとShufooを連携できる機能です。LINE@とは企業、ブランド、商品の魅力を配信できる事業者向けLINEアカウントのことです。Shufoo!とLINE@アカウントを連携させると、Shufoo!データベースに入稿したチラシ情報をLINE@に配信できます。これまでShufoo!とLINE@の両方を運用していた企業は両者を連携させることで管理を一元化でき、今まで導入していなかった企業はLINE@の運用する際に配信コンテンツとして電子チラシを活用すれば、既存のコンテンツ生成を、デジタルの配信コンテンツの一つして活用することが可能です。
※チラシプラスのアプル上のコンテンツ
URL: https://www.chirashiplus.jp/
デバイス:マルチデバイス対応(PC・スマートフォン・タブレット・アプリ)
運営会社:セブンネット株式会社 サービス開始年:2013年
アプリ利用者数:約25万人* 月間PV数:約150万PV*
配信エリア:関東エリア(東京、神奈川、埼玉、千葉) 今後エリア拡大予定
掲載店舗数:約30,000店*
料金制度:定額課金制
例)30店舗の場合[20店舗料金¥135,000+(追加店舗単価¥4,000×10店舗)=¥175,000]
アクセスデータ解析機能あり
*2018年4月時点
概要:チラシプラスはセブンネットが運営する電子チラシ配信サービスです。
食品スーパーを中心に大手チェーン店以外の地元スーパーのチラシも多数掲載している点が特徴です。主な利用者は、35~44歳の女性でユーザー全体の74%が新聞非定期購読者です。基本機能は、電子チラシを配信するために必要な機能をまとめた販売促進配信管理機能です。チラシを閲覧するためのチラシビューア機能とタイムセール・クーポン・お知らせを配信できる機能を操作できるようになっています。
その他の機能として以下の3つをご紹介します。
自社メディア連携機能は自社HPやアプリなどを展開している事業者向けに準備した機能です。自社メディアとチラシプラスを連携させることで管理が一元化され、一回の操作で両方にチラシを掲載することができます。運用の手間が軽減することができます。
チラシプラスアプリ連携機能は、チラシプラスアプリ上でチラシや新着情報、タイムセール情報を効果的に配信する機能です。店舗単位でタイムリーな情報配信ができるPUSH配信機能と配信したチラシが未読状態のユーザーにお知らせをする新着バッチ機能があります。どちらもユーザーへの閲覧を促進させ、チラシが配信されても読まれない状態を防ぎます。
チラシ+DIRECTはチラシプラスとLINE@アカウントを連携させるサービスです。チラシプラスで配信した電子チラシが自動的にLINE@のお友達登録者にPUSH配信されます。電子チラシの配信と、LINE@の運用を個別にするのではなく、チラシプラスで一元管理できる点は魅力です。
Shufoo!とチラシプラスでサイトそのもののPV数や、掲載されている企業の違いはありますが、チラシという情報をソースを使って、どのように消費者に届けていくか、目的が重要で、その目的を元にサービス選定する必要があります。ときにはスケールが重要な場合も、スケールだけではなく現状の販促活動に合わせて使いやすいUIを選択すべき場合もあります。下記に比較表を掲載しておきますが、導入に迷った場合は私たちにご相談下さい。
次に電子チラシ配信手段の一つである自社専用アプリで電子チラシを活用している企業の事例を紹介します。
Webサイト:http://www.lifecorp.jp/
スーパーマーケットのライフが配信しているアプリです。
機能は、お気に入り登録した店舗のチラシがすぐに閲覧や、同時に商品の特徴や、レシピの情報を織り交ぜた情報配信をシています。前からアプリ自体は運用されていたのですが、それに置き換わる新たなアプリを2018年9月をリリースしました。そこで新たにカードの機能をアプリ上に取り込んでスマホをカード代わりに使えるようにする機能が実装されています。(メニュー上の「カード」のコンテンツ。)スマホの決済が店舗を持つ流通にとっては命題となっていますが、積極的に取り組んでいる例として、電子チラシの活用以外にも参考になるアプリです。
Webサイト:https://www.seiyu.co.jp/
スーパーマーケット大手の西友が配信しているアプリです。
機能は、店舗を登録すると登録店舗のチラシが閲覧できる機能の他にクーポンも配信しています。料理動画配信サービス「DELISH KITCHEN」とコラボしたコンテンツも準備されており、西友の商品を使ったオリジナルレシピ動画を見ることができます。
またこちらのアプリとは別にスマホでレジという決済用のアプリも展開を開始しています。2018年8月にリリースされたもので、こちらは店舗でアプリを起動して読み込み、レジで決済するアプリです。どこまでスマホで消費者の方に操作してもらうか、各社試行錯誤している段階ではありますが、一度操作して、そのユーザビリティーを体感しておくといいでしょう。
※待ち時間短縮ご自身のスマホで商品バーコードをスキャン!専用レジで、お会計の手順を示した画面
Webサイト:https://www.uniqlo.com/jp/
ユニクロが配信しているアプリです。
紙のチラシの活用について今も積極的なユニクロですが、アプリ上でも電子チラシを見られるようにしてあります。また、見ている側が見やすいようにスマホ上でのコンテンツの構成の仕方にについてはかなり洗練されており、全てのチラシを活用する流通業の方は参考にする価値があります。(2018年の7月には画像にもあるMessengerの形式で商品提案をしてくれる、ボットもアプリ上に組み込まれました。)アプリのUIの設計。商品へのリンクの引き方や、商品の検索メニュー、オンラインでの購入への動線など。日々形を変えていますが、是非参考にしてみてください。
コンテンツを構成するひとつの要素として、電子チラシを活用していくうえで参考になる例をご紹介しました。
いかがだったでしょうか。2つの電子チラシ配信サービスと、自社でアプリを展開しそのなかで電子チラシを掲載している例について見てきました。デジタルデバイスの普及率が上昇を続けている今、デジタルのコミュニケーションのひとつのツールとして検討してみてください。
弊社では今まで折込広告のプロとしてチラシを扱ってきた知見を生かし、電子チラシの配信サポートも行っております。私たちにお気軽にご相談いただけたらと思います。