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11月は記念日が多い?~記念日を活用した販促の展開の仕方について~

作成者: Junji Kanazawa|2021/10/31 23:43:00

 今回は「記念日」について販促の活用方法を見ていきたいと思います。

 誕生日や結婚記念日などの個人的な記念日や、企業・学校の創立記念日、祝日や110番の日・防災の日などのように国または国の関連機関が定めたもの、企業や地方自治体がその商品・特産品のPRのために独自に定めたものなど記念日の種類は多岐に渡ります。

 古くから伝わる季節を表す言葉として使われている「二十四節気」のなかでも季節の節目を表す「五節句」や「雑節」、「〇〇週間や〇〇月間」、祭りなどの「年中行事」も広い意味で記念日に含まれます。

 各企業が創立記念日や商品発売日を毎年、もしくは節目の年に行う「周年記念」は販促企画に組み込んでいる企業も多く、記念日をうまく活用している事例と言えるでしょう。

 ちなみに今年2021年に50周年を迎える(1971年に誕生した)店舗や商品にはロングセラーが多いって知っていますか?

代表的なところでは・・・


・外食 →日本マクドナルド、ロイヤルホスト、ミスタードーナツ
・ホテル →京王プラザホテル
・商品  →カップヌードル、レディーボーデン、キャラメルコーン、ククレカレー、チェルシー
・雑誌 →non‐no(前年にan・an)


 50年にも渡って長く愛されている店舗・商品が数多くあるって凄いですよね。

※上記企業・商品のキャンペーンサイトはコチラ

【日本マクドナルド】 https://www.mcdonalds.co.jp/campaign/thankyou50th/

【京王プラザホテル】 https://www.keioplaza.co.jp/event/50th/

【キャラメルコーン / 東ハト】 https://www.tohato.jp/cc/50th/

【ククレカレー / ハウス食品】 https://housefoods.jp/data/retortcurry/kukure/

【チェルシー / 明治】 https://www.junonline.jp/news/83009

【non‐no  / 集英社】 https://nonno.hpplus.jp/50anniversary

 「キャラメルコーン」は私が子どものころ、中に入っているピーナッツが大好きで、ピーナッツばかりを選んで食べていたことが懐かしく思い出されます。既に発売から50年も経っているのかと考えると感慨深いです。



1. 記念日はどのように決められているのか?

企業や協会、地方自治体等が制定した記念日はどのようにして決められているのでしょうか?

特に決まったルールはないのですが、代表的なパターンとしては

1:過去の出来事等からその日付自体に意味や由来がある
2:語呂合わせ
3:形状(数字のカタチ)
4:有名な記念日に相乗り

これらに沿って、独自に記念日が制定されているケースが多いようです。

 その中でも特に日本では、2月22日の「猫の日」や8月31日の「野菜の日」のように語呂合わせでその日を記念日にした事例が数多く見られます。「語呂合わせ」のしやすさは日本語がもつ特性であり、遊びごころもあって面白いですね。数字のカタチを記念日に落とし込んだ例として11月11日の「チンアナゴの日」のようにその形態を数字に見立てて記念日に制定した例も多く見受けられます。

有名な記念日に合わせて、関連の商品に関する記念日が制定されているケースもあります。


・バレンタインデー →チョコレートの日、ネクタイの日
・こどもの日 →おもちゃの日、こどもに本を贈る日

 語呂合わせや形状、相乗りなどはその日が記念日であることがイメージしやすいので、何自社の記念日を制定しようということを検討されている方は、既存の記念日をチェックしてみるといいかもしれません。

 年によって日付が変わる移動記念日もあります。代表的な記念日としては「母の日(5月の第2日曜日)」や「父の日(6月の第3日曜日)」などがあります。家族にまつわる記念日は「10月の第3日曜日=孫の日」、「11月の第3日曜日=家族の日」も『毎年、日曜日になる』ように制定されています。「家族みんなで祝えるように」という思いが込められているので消費者の思い出をつくるきっかけとなっているものも多く、生活に影響を与えている部分がありそうです。。

 ちなみに、365日、毎日何らかの記念日があります。その中で世間に浸透している記念日も多く存在しますが、制定の際、公的機関の承認を受ける必要はあるのでしょうか?答えはNOで、公的な機関の認定を受けなければ記念日とならないわけではありません。


(社)日本記念日協会や(社)日本記念日評議会などが独自のルールに沿って記念日の制定を行っていますが、いずれも任意団体であり、記念日制定のための公的機関は存在しておりません。よって、記念日を制定する際に、これらの団体の認定を受ける必要も義務もありません。「公的機関や任意団体などの第3者機関のお墨付きは必要ではない」ということになります。ただ、やはり何かしら第三者に認めてもらった事実をもって、活用している企業が多いようです。

(社)日本記念日協会のホームページはコチラ 



2. 11月が記念日の最も多い月って知っていましたか?

 2020年11月1日現在、日本記念日協会が認定している記念日の数を月別に見てみると11月が最も多く、363件。次いで『10月(322件)』の順です。

なぜ、11月には記念日が多いのでしょうか?

先述した通り、日本では語呂合わせでその日を記念日にしているケースが多く見られ、11月は「いい」と読めるため、日付の語呂合わせと組み合わせて「いい〇〇の日」として表現できることが理由の一つのようです。

・11月5日 →いいりんごの日
・11月8日 →いい歯の日、いいお肌の日
・11月13日 →いいひざの日
・11月16日 →いい色の日
・11月18日 →いい家の日
・11月22日 →いい夫婦の日
・11月26日 →いい風呂の日
・11月29日 →いい肉の日、いい服の日


 また、11月は食の記念日が多い月でもあります。語呂合わせのしやすさや数字のカタチに加えて、「食欲の秋」と言われるように旬な食材が多いこと・秋から冬への季節の変わり目であることも影響しているのかも知れませんね。特に、1日・3日・11日などは複数の食の記念日が重なっています。

《複数の食の記念日が重なっている日》


【1日】
・すしの日(新米の季節で海・山の幸が美味しい時期)
・紅茶の日(日本人が初めて紅茶を飲んだ日)
・本格焼酎の日(新酒が飲めるようになる時期)
・泡盛の日(泡盛製造の最盛期)
・野沢菜の日

【3日】
・みかんの日(いいみっか《3日》んの語呂合わせ)
・サンドウィッチの日(サンドウィッチ伯爵の誕生日&いいさ《3》んどの語呂合わせ)
・調味料の日(語呂合わせ&和食文化の見直しで文化の日に制定)
・ちゃんぽん麺の日

【11日】
・麺の日
・ピーナッツの日(一つの殻に二粒が入っていることを双子に見立てて)
・チーズの日(日本でのチーズ製造の最古の記録から)
・鮭の日(圭を分解すると十一十一になることから)
・ポッキー&プリッツの日
・もやしの日
・きりたんぽの日
・長野県きのこの日(生産量日本一を数字に見立てて)
・立ち呑みの日(人が集まって立ち呑みをしているように見えるから)
・豚まんの日(豚の鼻の穴を数字に見立てて)

上記以外の日にも代表的な食の記念日として

・5日:いいりんごの日
・7日:鍋の日、もつ鍋の日
・10日:かりんとうの日
・15日:のど飴の日、イベリコ豚の日
・21日:かきフライの日、フライドチキンの日
・23日:牡蠣の日、外食の日
・24日:和食の日
・29日:いい肉の日
・30日:本みりんの日

などがあります。


3. 11月11日は記念日が年間で2番目に多い日です。

 『11月11日』は『8月8日』と並んで49件もの記念日が制定されており、実は年間を通して2番目に記念日が多い日です。因みに最多は『10月10日』の55件です。月と同数の日付に記念日が多いのは面白い傾向ですよね。では、なぜ、11月11日に記念日が多いのでしょうか?

 1が棒状に見えることから、形状が棒状に見える商品等がその形状を理由にこの日を記念日に制定したことが理由のひとつです。前述した食の記念日も「麺」や「ポッキー&プリッツ」のようにカタチが棒状に見える理由からこの日を記念日に制定しました。

また、食の記念日以外にも棒状に見えるという理由から


・下駄の日(足跡がそう見えるから)
・煙突の日
・箸の日
・チンアナゴの日
・コピーライターの日(鉛筆やペンが並んでいるように見えるから)

 また、漢字表記の十一を電池の±(プラスマイナス)に見立てた「電池の日」や11人同士で戦うことから「サッカーの日」など一捻り加えて、この日を記念日に制定したケースもあります。語呂合わせだと日本人にしか理解出来ないですが、カタチであれば、万国共通のため、海外の人でも理解しやすいですよね。

 例えば、今回の東京オリンピックの開会式で披露して話題を集めた「ピクトグラム(絵文字)50種個パフォーマンス」。絵文字で表現するピクトグラムは、現在では多くの国で利用されていますが、前回の東京オリンピック(1964年)時に外国語が苦手な日本人のために海外の人とのコミュニケーションが少しでも円滑に図れるようにとの思いから日本人が発明したものです。カタチに注目して『万国共通のコミュニケーションツール』を作るのは日本人の得意とするところなのかもしれません。。

 最近よく知られるようになった記念日として、お隣の中国では11月11日を「独身の日」とし、独身者が集まってパーティーを開くなどのイベントが多く行われています。(この日が「独身の日」になった理由は、「シングルを表す数字の『1』が4つ並んでいるから」とのことです。)その日に贈り物を渡すことも流行っており、その流れから、アリババグループを始めとした各大手通販サイトが大規模セールを行う日として日本のメディア等でも度々取り上げられています。
そのセールには、多くの日本企業も出品をしています。


 中国の大手通販サイトである「アリババ」と「京東」の2社を合わせた売上がその日だけで12兆円を超えたことも話題になりました。楽天の2020年の年間売上高が1兆4,555億円。楽天の売上と比較してみても、その規模の大きさ国内でのマーケットの規模の違いが想像出来ますよね。



4.記念日ってどうやって登録するの?費用はかかるの?

 もし記念日自体を自分で制定してみよう、という方のために、第三者機関を活用した登録の仕方もご案内しておきます。企業や地方公共団体等が独自に記念日を制定しようとした場合、どういった手順で記念日登録されるのでしょうか?また、登録料等の費用は発生するのでしょうか?

(社)日本記念日協会に記念日登録を依頼した場合、下記のような手順となります。

Step:1=記念日登録申請書による申込

Step:2=記念日協会による審査

Step:3=記念日登録審査の合格通知

Step:4=記念日登録証の発行

Step:5=記念日協会認定記念日正式登録

 また、費用に関しましては、記念日登録料として1件あたり15万円がかかります。記念日制定をする際、第3者機関のお墨付きを得るためには、ちょっとした手間と時間がかかり、また費用も発生するのですね(笑)ギネスのレコードなども同じように第三者の認定で販促に活用されることが多い手法ですが、第三者の認定をうまく活用して、広報や広告に活用していきたいところです。



5. 記念日を活用した11月の販促企画のポイントは・・・?

 既に年間を通して、流通業を中心に多くの企業で記念日を利用した販促企画を立てられていると思います。

 特に11月は記念日が多い関係もあり、販促企画立案の上でのネタは事欠かないことでしょう。但し、10月のハロウィンや12月のクリスマスのような大型の催事がないため、記念日を上手に活用して『小さな販促企画を積み重ねて、大きな売上につなげていく』というようなキメの細かい対応が必要になってきます。

そこで考えられる販促手法として・・・

■月間を通した企画
・11をいいと読んで「いい値月間=お得な商品」や「いい商品月間=オススメ商品」
など月間を通して対応できる企画

■複数の記念日を組み合わせた企画
・例えば、「鍋の日(7日)」の鍋を軸にして「みかん鍋(3日=みかんの日)」や「りんご鍋(5日=いいりんごの日)」、「チーズ鍋(11日=チーズの日)」など変わり種の鍋メニュー提案

・『いい夫婦の日(22日)×外食の日(23日)×和食の日(24日)』
→高級割烹ペアお食事券プレゼント企画

■参加型の企画
・あなたにとっての記念日を募集する企画
・「いい夫婦の日」の思い出を募集する企画
・食の記念日の食材を使ったメニュー・レシピコンテストの実施


 『記念日』を上手に活用しながら、しっかりと消費者に伝わるストーリーを組んで説得力があり、他社との差別化も図れる販促企画を立てることが重要になってきます。記念日がまとまって整理されており、今回、参考にさせて頂いたサイトはコチラになります。既存の記念日をパズルのように組み合わせたり、あなたのビジネスと並べてみたときに関連性を持たせた情報発信で、消費者にとっても新鮮な気持ちで情報を受け取ってもらえるように工夫をしてみてください。

 弊社では販促に役立つカレンダーを発行しています。こちらにも月ごとの記念日を載せていますのでダウンロードして活用してみてください。