エリアマーケティング/WEBマーケティング・折込チラシのブログ

折込広告・折込チラシの効果を測定する方法について

作成者: 鷹野寛之|2022/05/28 5:52:12

 

 チラシは来店促進や、商品認知について特に40代以上の人に情報を届ける場合は、有効なメディアと言えます。

 紙のメディアで情報の認知や、商品理解を促すプロモーションの場合、効果を測る場合、下記の様な効果測定の仕方があります。紙のメディアは測定がしにくいものであることについて、予め理解が必要です。ただ、その効果を測定することには大きな意味があります。こちらの記事ではその方法に関してご紹介します。

 チラシの効果で集客できたのか、その他の要因で集客できたのか、明確に区別できるようチラシに「工夫」を加えることをおすすめしています。

来客を促すチラシの場合は、チラシにクーポンをつけて持参してもらったり。電話での集客の場合は、クーポンコードを記載してそれを口頭で伝えてもらったり。インターネットでの集客の場合は、専用のランディングページ(商品の訴求サイト)を用意するなどの手段が考えられます。

 

まずは、施策についての、ゴール設定とチラシの役割を決めよう。

 チラシの効果測定をするにあたって、”チラシの役割”について先ず考えてみましょう。最近、WEBや新聞の紙面に出す広告で、レスポンスが鈍ってきたので、新しい情報の届け方として、折込チラシを検討している、というような相談をよくいただきます。いろいろとメディアを使って広告宣伝をしているなかで、新たに折込チラシに取り組みたい、というようなご相談です。

 ここで言う効果は、既に展開しているメディアの反響が基準になりますが、そもそも投資対効果として、はじめから同じ水準の反響を得られるとは限りません。届けたい商材にチラシという情報のまとめ方、届け方で顧客に届くのか。その届け方が適正なのかはもとより、申込み自体がどこで、どのようなかたちで受けられる体制をとって広告を打っているのか。届ける部分以外にも、その反響を受け取る体制や、仕組みも合わせて、チラシを使った販促に取り組むべきかを考える必要があります。それは店舗であれば、在庫や接客対応のリソースが関係することもありますし、通販であれば、電話受付の受電体制や、発注を受けたあとの発送手続きの体制が取れているか、なども関わってきます。

 

効果を測る時にカウントする指標の例

 チラシの効果測定をするときには、下記のような成果の指標設定が考えられます。まず、配った数や、据え置き型のチラシ配布であれば持っていかれた数を基準に反響を計測します。( 配布したチラシの枚数 ÷ 反響の数 を「反響率」という指標として管理することもあります。)その反響の図り方を下記にいくつか示します。

 

チラシそのものを持ってきてもらった数を成果として計測する方法

 ・チラシそのもの持参された数を計測する

 ・チラシに付いているクーポン回収枚数を計測する


チラシの一部もしくは、情報を使って成果として計測する

 ・チラシにはがきを付けてそれが応募された数を計測する

 ・チラシにコードや、申込み時に必要な文言を付けてそれが使われた数を計測する

 

手段に関わらず、何かしらのアクションが起きたかを成果として計測する

 ・来店したお客様の数

 ・来店したお客様のうち、レジを通過した数

 ・チラシに掲載されている商品やサービスが売れた数

 ・WEBサイトにアクセスがあった数(チラシ掲載キーワードと検索クエリの照合)

 ・電話で問い合わせがあった数

 ・資料が請求された数

 

アクションの中身がどのようであったかを成果として計測する

 ・新規でお客様が来店した、行動に移した数

 ・既存のお客様が来店した、行動に移した数

 ・お客様の購買の金額が上がったかを計測する

 ・お客様の購買した数(商品点数など)が上がったかを計測する

 ・SNS上で情報が上がった数(とその情報発信の反応の中身)

 

 このように、ビジネスの種類や、訴求する内容によって計測点は様々ですが、できる限りチラシの配布や制作をする前に、成果指標について考えておくことで、チラシをつくる目的をはっきりさせておくとともに、検討実施段階で、立ち返って中身や全体の取り組みの精度を高めていくことが可能になります。一つの指標だけで測っていると、実際に起こした影響について見誤る可能背があります。ぜひ、予め複数定義しておくようにしましょう。では、ここで挙げた「成果指標」についてもう少し詳しくご説明していきます。

 

チラシの成果上げるために考えたい測定したい6つの指標

1、プロモーションを行った期間における、来店数や、売上げ、申込み者数を測る。

期間や商材を限定して、前年同月との売上げ、申込み者数などを測ります。

 

2、掲載している問い合わせの電話番号を固有のものにして、そのコールの数を計測することで測る。

WEB上ではよく行われるやり方ですが、A/Bテストを電話の申込み“番号”で分けてそのコールがどれくらいあったかを測ります。チラシはスプリット印刷といって、2種類の原稿を同時に刷ることも可能です。その2種類のチラシの反響を判別できるように効果を集計することで、原稿や訴求内容の良し悪しを検証する取り組みがよく行われています。

3、プロモーションコードを紙のメディアに入れて、WEB申込み時にコードの入力してもらい、その数を測る。

 チラシを使って、WEBを申込み窓口にしているサービスを訴求する際には、この手法がとられます。また、そのコードがその紙でしか知らせていない趣旨を記載することで、申込みする側の特別感や、お得感を演出し、チラシを受け取った方のモチベーションを高めることができます。

 チラシを見て、キャンペーンを認知させる目的でチラシは有効ですが、そのまま、WEBにアクセスさせて申し込みまでさせることのみを目的にすると期待している効果を得られない場合も多いです。できる限り受け取った方に心理的なハードルを作らないような紙面構成やサービス設計も必要になります。

 

4、固有の検索キーワードを表記し、それ用のリスティングを合わせて実施することで、計測する。

 リーチが多く取れる、また継続的にプロモーションをしていく場合のみ有効ですが、ユニークな検索キーワードをチラシ用に設定し、その広告の数値をベンチマークにします。「リーチが多く取れるものでないと成立しない」理由は純粋に検索ボリュームが少なすぎると広告運用に堪えないためです。ある程度大きなキャンペーンでのみ計測が可能です。
 

5、キャンペーンサイトなどを合わせて設置し、そのサイトの応募数などをベンチマークにして測る。

チラシで知らせているのは、クローズドの応募キャンペーンだったとき、そのキャンペーンに対する応募数は一つの効果指標として考えられます。メーカーでレシートを貼ってプレゼントに応募する、というようなクローズドキャンペーンにおいては、応募用の台紙としてチラシを活用してくれるケースがあります。チラシを配布したのは10月だったか、12月になっても、チラシについているハガキを使った応募が続く、というような例が実際にあります。

 

6、商品やサービスに対する認知などを予め調査し、プロモーションの前、後での認知率の比較をする。

 その他、話題喚起や、クリエイティブに対しての深いエンゲージメントを狙って紙の媒体での情報伝達をする場合、定性で反応を集計する方法があります。直接購買だけを追い求めて、効率を追及していくと、CPAについて検索連動型広告がより効率が高いことは少ないかもしれません。

 テレビやWEB上のディスプレイ広告のように、チラシを組み合わせて、商品認知を獲得するために使うような例も多くあります。複数のメディアを展開したあとに、実際に来店した人に対してアンケートを取ることで、デジタル、アナログに関わらず、その効果があったかを横並びで測ることができます。

 

さらに3つの切り口でチラシの効果を上げる

 なぜ、効果を測定するかといえば、その投資が目的達成に寄与していたのか、その投資は適正だったのか。さらにいうなら、次に販促活動をする際により効果を上げる方法を考える材料にするためです。実際に折込チラシの活用をする「前」に考慮したい効果向上のための手法について3つほどご案内したいと思います。

 

- チラシの原稿について予めの消費者の印象を聞いてしまう。

 チラシの制作について、消費者目線を忘れて、目的がぶれてしまうことは、どうしても起こりうることです。そういった状況に陥らないように、実際にチラシが消費者の手に渡る前に、そのチラシについてどんな印象を受けるかを消費者に聞いてしまう手段があります。消費者がチラシを受け取ったとき、どのような行動をしようと思うか。もしくは、そのチラシの良くない点などを予め聞いて、配る前に適正化したうえで、顧客に届ける方法です。具体的には原稿をWEB上で、届けたい対象の属性の消費者にアンケートを取り、それについてのフィードバックを得る方法です。

 

 制作の過程では、広告の主たる企業の販促担当者、広告代理店、制作会社、印刷会社(のデザイナーや営業)などが、そのチラシを作る過程で、仮設や、データを元に、それを判断してチラシを制作することが多いと思います。ただ、実際のチラシが消費者にどう受け取られるかはチラシが世に出てからしか、その印象や感想や、反響を知ることができません。

 情報管理の問題はありますが、それを事前に聞いて、答え合わせをする方法です。毎回そのアンケートを実施のうえチラシを制作していくのはコスト面やスケジュール面で、なかなか難しい場合が多いですが、長期での取り組みでテンプレートを作る段階や、長く実施してきたものの、なかなか効果が上がらない場合、チラシに配布の数が膨大である場合(配ることに大量のコストを掛けている場合)などはアンケート実施を検討してみるといいでしょう。客観的な評価を外から入れることはとても重要な考え方です。

 

- 反響に対してのさらなる深掘りをして、チラシの制作に反映する。

 例えば、飲食店の方がチラシを配布してそこにクーポンをつけて、一定数の回収ができたとします。そのお客様が実際に何を魅力に感じて、店舗に来るにいたったのか、実際に来店した人に深い情報を聞く方法です。来店数が少ない場合は、会話のなかでそのヒントを得ることも可能でしょう。そうではない場合は、クーポンの種類を複数つけておいて、その回収数の数で、消費者の心理を測ることができます。

 ただ、チラシを届けて、回収をして終わりではなく、それを回収したあとのデータ収集。また、それを持って来てくれた人にまた来てもらえるような先々の計画まで立ててチラシを届けることが重要です。

 

- 第三者データを使った効果の測定

 こちらは、少し難易度が高い方法です。メーカーで取り組んでいる効果測定のやり方で、チラシ自体を配布したときに、特定の店舗だけではなく、それを配ったエリアで、商品自体が売れたのか、ということを測定する方法です。 

 例えばコカ・コーラのチラシを埼玉県全体で新聞折込広告で届けたとします。その時、コーラを買えるのは、コンビニやスーパー、多くの流通店舗でチラシを見て買われる可能性があります。ただ、それを測るには、各お店・チェーンでどれくらいコーラが買われたのか、測定したデータを集計する必要があります。(また、そのデータを教えてくれるかは分かりません。)データを積み重ねて、マーケティングの最適化を目指す企業が増えているなか、活用されはじめて効果測定です。興味がある方はご相談いただけたらと思います。

 

その他、注意したいポイント

- クーポンの付け方に関する注意 

 クーポンを付けた広告を配る。その回収数を集計する方法はチラシの活用方法の中でももっとも一般的な効果測定と言えます。その付け方を少し考えるだけで効果を高めたり、回収数を増やすことができますので、参考にしてみてください。 

 

 飲食店であれば、ハンバーグセット100円引き・ドリンク1杯無料・サイドメニューを1点プラス、というようにクーポンを複数種類つけます。この場合、気をつけたいのは、消費者の方はもちろん賢いので、値段で計算して、もっともお得なものを選択する傾向は高いということです。ですので、お得になる金額・コストは同じようなもので、見え方や、感じ方、また必要となるシーンを変えるなどの工夫をする必要があります。

 例えば、「<特定商品>○円引き」であれば、それが値引きされたときの金額にお得感が感じられるような商品の選定。値引き金額の設定。ドリンク1杯無料であれば、夏にうれしい!とか、20種類から選べるなどの、価値や使い方もしっかり伝える。

それにどんな消費者メリットがあるのかは、写真や文章で伝える工夫をする必要はあります。(ただ、情報の詰め込み過ぎには注意しましょう!)

 

 以上、チラシの効果を測定するにあたって、KPIにしたい指標。また効果を上げるための方法についてご案内しました。大正11年に新聞折込広告という仕組みを事業化して、そこよりチラシの効果についてはいろいろと追究した私たちだからできるサポートがあります。チラシについて課題がおありの企業の方は、お気軽にご相談いただけたらと思います。