日々、多くの業種、多くのお店で折込チラシが配られています。折込チラシは、計画した日付で1日に大量の配布ができるメディアであるため、効果を上げるためには、配布のタイミングや、物日(祝い事や祭りなどが行われる日。)に情報と届ける方法が昔から活用されています。
お正月にはおせち料理。節分には恵方巻。バレンタインにはチョコレート。クリスマスにはケーキ。届けるタイミングと訴求の方法は、消費者の気持ちや購買行動に合わせて計画をする必要があります。
今回は一都三県で配られたチラシのタイトルを、テキストマイニング(通常の文章からなるデータを単語や文節で区切り、それらの出現の頻度や共出現の相関、出現傾向、時系列などを解析することで有用な情報を取り出す、テキストデータの分析方法)に掛けて、どういった内容で折込広告が活用されているのかを紐といてみました。
今回の分析は、2018年に一都三県で配られたチラシのうち、「ハロウィン」という言葉が含まれるチラシ778件をテキストマイニングに掛けています。ヤマダ電機さんや、イトーヨーカドーさんなどのチラシは配布されている枚数が多いので、それらの重複をある程度排除してテキストは分析をしています。「ハロウィン」が含まれるチラシについては下記のような業種別の活用状況がありました。
データ的にはスーパーでのメニュー提案などと一緒にハロウィンの記述が多くなっていました。例年のことではありますが、「ハロウィン」は「パーティー」との組み合わせが多く遊びのある食卓提案の紙面が多かっようです。
さて、タイトルはどのような中身になっているでしょうか。例えばそれに含まれるタイトルはこんな感じです。「楽しいメニューでパーティーを盛り上げよう ハロウィンパーティー」「秋の大感謝祭 ハッピーハロウィン!まだまだお買い得商品がもりだくさん!」。こういったタイトル788件、ある程度の重複を排除して、まとめてマイニングに掛けてみたところ、下記のような傾向が見て取れました。( テキストマイニング 無料ツール by ユーザーローカル※ユーザーローカル テキストマイニングツール( https://textmining.userlocal.jp/ )で分析しています。)
788件のハロウィンチラシのワードクラウドは下記の図のようになりました。
ハロウィン、ハッピーを中心に、お菓子、セール、開催(青が名詞)。選べる、引き換える、といった動詞(ピンク)。おいしい、たのしい、うれしいなどの言葉が並んでいます(形容詞が緑)。
他に、ワードクラウドには「囲む」「盛り上げる」といった食卓の団らんや、パーティーに関連するように思われる言葉も並んでいます。スーパーでの提案も提案がデータの多くを占めていますのでそれも納得の内容と言えます。
Googleトレンドでハロウィンの検索傾向と、チラシの出稿枚数を重ねてグラフにしてみました。チラシの出稿については一都三県で「ハロウィン」という記述が入ったチラシの枚数の傾向です。
検索のトレンドは、やはりハロウィンの当日10月31日にぐぐっと上がります。2018年については31日は平日の水曜日にあたったため、折込自体は前の週の土曜日がピークとなっていました。西洋から入ってきたイベントの多くが、曜日回りに左右されるくらいの取り入れられ方が多いのかもしれません。
チラシの投下については、通年変わらずですが、週末にチラシが集中する傾向があります。ハロウィン当日よりも、その前の週末、10/27(土)がもっとも多くなっていました。
チラシの使い方を考えると、どうしても単日のセール期間設定ではなく複数日のセールの訴求をするケースが多いというのはあります。週末の行動を促したり、そのイベントを前もって告知をすることが活用の定石だからです。ただ 前もって告知するなら、「ハロウィンはこの店に行こう」と足を向けてもらえるような情報・コンテンツをチラシの内容が必要です。そうすれば、イベントが当日が平日であっても、お客様に来店してもらえるような販促が実現できる かもしれません。
長い期間で見ると、イベントそのものの興味度というのも、盛り上がったり盛り下がったりがあります。「ボジョレーヌーボー(ワイン)の解禁」は2012年頃がピークだったと言われています。長期のトレンドで見ると「ハロウィン」については、2015年がピークでそのあとはダウントレンドにあります。ただ、まだ販促にも活用できる”タイミング”だと思います。消費者のニーズを見極めながら、情報をうまく届けられるように計画を立てましょう。
※プロモーションに関連して、今回ご案内したような切り口でテーマを考えるときには 弊社の「販促カレンダー」が役に立ちます。販促に関するご相談ごと、また販促カレンダー(下記見本です。)についてのお問い合わせは、お電話かフォームからいただけたらと思います。