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ジオターゲティングとは?特定地域に向けた広告配信手法の特徴とメリット

作成者: 鷹野寛之|2022/05/28 6:49:04

「ジオターゲティング」という言葉をご存知ですか?これは、特定の地域をターゲットにし、ユーザーが持っているデバイスの位置情報を利用して、WEB上で広告を配信する手法です。今後のエリアマーケティングにおいて、ジオターゲティングは欠かせない手法の一つです。(エリアマーケティングについて解説した記事はコチラから)

 厳密にはIPアドレスなどから閲覧者の居住地や、居た場所を解析し、それを利用する技術のことを言います。近年、技術の発達によりWEBでのプッシュ型の広告が不得意であった「エリア」をセグメントした広告配信が、高い精度で行えるようになってきました。ここでは、WEBにおける、「ジオターゲティング」について詳しく説明していきます。

 
ジオターゲティングの基本 

 ジオターゲティングは、IPアドレス、Wi-Fi接続情報、またはデバイスの通信アンテナの位置データを元に、ユーザーの現在位置を特定し、そのデータを利用して広告を配信します。この技術は、WEB広告のターゲット選定において、非常に高い精度を誇ります。

 近年、技術の進歩により、従来困難だった「地域特化型」の広告配信が実現し、より効果的なマーケティングが可能になりました。この方法は、特定地域に密接に関連する消費者を正確にターゲティングすることができ、無駄な広告配信を防ぐことができます。

 マーケティングにおいて大切なのは、単に不特定多数の消費者に対して広く広告を打つことではなく、コストを考慮しながら効果を発揮する工夫です。全ての消費者に広告を配信できるような予算を確保できる企業はほんの一握りであり、多くの企業や事業主にとっては、ターゲットの絞込みは重要な課題とされてきました。

 特に、地域と密接に関わる企業は、地域特化したエリアマーケティングを成功させ、売上を上げることが必須です。しかし、多くの消費者との接点の中から地域とつながりがある消費者を選別する作業は困難であるため、ポスティングであったり、新聞折込広告などで特定地域への広告配布を行うなどの方策しかとれませんでした。

 しかし、ジオターゲティング技術の発達により、特定地域との関係を持つ消費者の選別が正確に行えるようになりました。配布しても宣伝効果の薄い地域にまで広告を配布してしまうこともなく、厳選された、場所や行動に紐付けられたターゲットにのみマーケティングを行えるようになったのです。ジオターゲティングは企業の宣伝活動を大きく変えていく手法といえるでしょう。 

 

ジオターゲティング広告の特徴と効果的な活用法 

ジオターゲティングは、特にスマートフォンを利用した広告配信において強力な手法です。ユーザーが特定地域に到達すると、その位置データが解析され、関連する地域の広告が即座に配信されます。このアプローチは、地域特化型のマーケティングにおいて特に効果的です。

ジオターゲティングの主な利点は、次のように細かくターゲットを設定できることです。

  • 現在特定地域にいるターゲット
  • 過去特定地域にいたターゲット

例えば、新宿の駅ビルで行われているセール情報を、新宿周辺にいる人々に配信することで、来店促進効果を高めることができます。また、過去1ヶ月以内に新宿に訪れたユーザーに向けて広告を配信することで、さらに効果的なターゲティングが可能となります。

紙媒体広告との違い:ジオターゲティングの優位性

従来の広告手法である新聞折込広告やポスティングは、ターゲットを絞り込むことが難しく、広範囲に広告を配布せざるを得ませんでした。このため、広告効果が薄い地域にまで費用をかけてしまうことが多くありました。しかし、ジオターゲティングでは、広告配信の対象を正確に絞り込むことができ、無駄な広告費を削減することが可能です。

特に競合店の顧客をターゲットにした広告配信や、特定の地域での集客を狙った広告配信には、ジオターゲティングが非常に有効です。

 

ジオターゲティングを最大限に活用するための効果検証

ジオターゲティング広告は、単に広告を配信するだけでなく、その効果をしっかりと検証することが重要です。広告を接触したユーザーが実際に来店した数をカウントし、その結果をもとに、次回の広告配信をより精度高く行うことができます。

ジオターゲティングは、広告と集客の好循環を生み出す理想的な方法です。また、ライバル企業から固定客を奪いたいときにも有効です。例えば、週末に競合の店舗にいるユーザーに向けて、特定の広告を配信することで、顧客の奪取を目指すことができます。

 

実際にジオターゲティングを活用する方法 

 では、実際にジオターゲティングを活用していくためにはどのような手順を取ったらいいでしょうか。まず、その広告自体がビジネスの認知促進などの手段として適性があるかの判断が必要です。

また、その適性を考えるために、現状お店に来ている人がどこから来ているのかを把握する必要もあります。さらに、その既存のお客様自体がどういった属性なのか、どういった行動をしているのかのデータがあれば、それを基に配信設計をすることができます。

 適正な配信量を考える際、エリアを絞っての配信を考える時には、デバイスの普及率や、人口密度などを元に配信を設計する方法もあります。




具体的な手順を見てみましょう。ホームセンターA社の例です。 

 まず既存のお店に来ている人がどこから来ているのか分析したところ、実際に距離にして5km圏の方(自動車の距離にして15分くらいの方)が全体の80%を占めていました。新聞折込を実施したときの売り上げの伸び率は、その5km圏内の購買頻度を高めることには寄与していましたが、そこからさらに離れた場所にいる方はあまりチラシの効果で来店を増やすことができていないことが分かりました。
 そこで、距離が離れたところには、チラシの予算の一部でジオターゲティングを実施したところ、同じ投資金額で、しばらく来店していなかった層の掘り起こしに成功しました。(効果の測り方についてはまた別の記事でご案内します。)こういった分析を経て活用の余地を見出したうえで活用していくことが重要です。

 ここでのポイントは、小さな金額で初めてみて、効果を検証。(KPIを設定して)数字に伸びがあったらそれを拡大する、というWEB広告の基本的菜プロセスを踏んでいるところです。

 

配信金額はどれくらいから始めるのが適正なのか 

 お客様に相談をいただき、どれくらい予算を掛けて実施していくのかの相談を受けることがあります。その際私たちは、「30万円」からと提案させていただくことが多くなっています。配信サービスを提供するベンダーによる最低出稿金額で、多いのが「30万円から」が多いからで、まず一番少ない金額から試すことをおススメしているに過ぎません。

 ジオターゲティング自体は新しい技術が日々、進んでいる領域なので、その“できること”に注目して、実際の目的を果たすために使い切れる企業はまだ多くないのも事実です。実際、実施したいというご意向をいただき、よくよく目的を聞いてみると、別の広告配信方法の方が目的を果たすのに適しているケースも多いのが現状です。

 ただ、ビジネスの内容によっては、ターゲットに効率的な情報配信を実現し、大きな効果を上げることも可能なサービスです。さらに、技術が発展していけば、確実にエリア性を持ったビジネスの情報を発信したい広告主にとっては、より有効な手段となっていくことでしょう。

その使い方についてはぜひお気軽にご相談いただきたいと思います。

実績に基いたサポートをさせていただきます!

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